羽田空港の併設駐車場での窃盗被害、盗難対策について

羽田空港を利用される方のほとんどが併設駐車場を予約したり、混雑している場合は当日並んで利用されると思います。

弊社でも予約の代行を承っておりますが、やっと予約が取れたと安心していても盗難被害に合うリスクを忘れてはいけません。
今回は羽田空港の併設駐車場を利用される方向けに併設駐車場での盗難被害や盗難対策についてまとめていきます。

https://flight-p.jp/parking/40alphard

羽田空港の併設駐車場で現状の盗難被害

羽田空港の併設駐車場は屋上階を除いて全フロア屋内駐車場になります。
駐車場の建物の側面は開口があるデザインですが、簡単な雨なら防げる作りになっています。

羽田空港併設駐車場

日本損害保険協会の統計では、自宅屋内での盗難が【4%】、屋内契約駐車場の盗難が【0.4%】
基本的に盗難が起きている駐車場所は自宅屋外や屋外の月極契約駐車場、コンビニなど出先の駐車場で全て屋外になっています。

上記のデータを信用すると、屋内に駐車するだけで圧倒的に盗難被害に合う確率を抑えることができます。
しかし屋内駐車場は都心部でも少なく、料金も1.5倍以上と比較的に高額なのでなかなか停められないかもしれません。
毎回屋内に停めるのは難しいですが、可能な限り屋内に停めたいですね。

過去にリレーアタックと呼ばれる「鍵の信号」を増幅させる手口が流行っていましたが、皆様が飛行機に乗ってしまう羽田空港の併設駐車場でこの方法は通用しません。

リレーアタックの手口

そして羽田空港の併設駐車場は屋内で監視カメラも十分に設置されていますが、アップルのAirtag(エアタグ)を利用した手口が増えてきているので最大限に注意が必要です。
こちらは後で詳しく掘り下げていきます。

エアタグ窃盗手口

個人的な意見としてはアルファード以外は出先でも可能な限り「ホテルの駐車場」などカメラ付きの屋内に停めるように気をつけています。
運転手付きの車に乗る場合は必要ないかもしれませんが、ご自身で運転する場合は可能な限りしっかりとした駐車場に停める事が最も重要だと考えています。

そして複数台保有していると使わない時間が多く、長時間駐車しておく必要があります。
必要最低限の盗難対策として少し面倒ですが所有する車をすべてオフィスビルに格納していて、ハイルーフ車は地下平置き、背が低い車は地下の機械で保管しています。

屋内駐車場の中でも鍵がないと入れないエリアや防犯カメラが張り巡らされているオフィスビルが一番安心とはいえ、この記事をまとめていてハンドルロック等の物理ロックを追加する必要があるなと感じました。

羽田空港の併設駐車場で狙われやすい車両

盗まれやすい車No.1はレクサスとよく言われていますが、世界的に販売されているトヨタのSUVやレクサスが特に狙われています。
登録台数の問題で少ないかもしれませんが、こちらに加えて「ハイラックス」などのピックアップトラックも注意が必要です。

盗難されやすい車を特徴別に紹介していきます。

1.トヨタ ランドクルーザー、ランドクルーザープラド

2.LEXUS(レクサス)LX、LS、LC、RX、GS

3.トヨタ プリウス、アルファード、ヴェルファイア

4.トヨタ ハイエース、クラウン、ハリアー、アクア

5.ホンダ インテグラ、、シビック、ヴェゼル

6.スバル レガシィ、インプレッサ

7.日産 スカイライン、GT-R、シルビア

8.スズキ エブリィ

狙われやすい車まとめ

トヨタ車、レクサス車を中心に窃盗団が好む車はある程度傾向が出ています。
海外でも販売されている世界戦略車やSUVが非常に多い傾向がありますが、レクサスLSやトヨタのクラウンも狙われているので注意が必要です。

自動車もバイクも輸入車は盗難被害が少ないように見えますが、これはそもそもの登録台数が少ないことが問題だと推測しています。輸入車は純正セキュリティアラームが標準装備されていて、かなり前からスマホのアプリで現在位置が把握できるようになっているのも盗難被害が少ない理由の一つかもしれません。

羽田空港の併設駐車場での窃盗手口

過去には「リレーアタック」という手法が流行っていて、アマゾン等でもスマートキーの信号を遮断するケースが販売されていました。

しかし現在は車両全体からOBDポートまで走っているCAN信号をハックする「CANインベーダー」という手口が流行っているようです。
そして、当日盗まれるわけではなくAirtag(エアタグ)を利用して空港の併設駐車場から追跡され、盗みやすいタイミングを狙われるという最も恐ろしい事が起こっています。

FNNプライムオンライン

1.OBD2とは

現在販売されているほぼすべての車両に搭載されている「OBD2(OBDⅡ)」というシステムについて簡単にご説明していきます。
OBD2とは運転席側のダッシュパネル下に設置されている自動車の情報が集約されるターミナルのようなコネクターです。

レーダー探知機をここに繋ぐと、車速信号や燃料消費量など様々な情報を取得して表示することができます。

最近の自動車はコンピューターと同じくらい複雑な構造をしているため、故障した際にどこに不具合があるのかを判別するのが困難です。
OBD2を使うと診断機能があったり、テスターからエラーをリセットすることができます。

うちの子も機械式駐車場でサイドブレーキが外れなくなってテスターで外そうと試みましたが、結局ホイールを外す羽目になりました。

OBD2エラーリセット
OBD2からテスターでエラーリセット

2.CANインベーダーとは?

ここ最近騒がれている「CANインベーダー」と呼ばれる手口は「CAN信号」が通っている配線を経由して車両のシステムに侵入し、解錠やエンジン始動などを行う窃盗団の最新手口です。

この手口があるのでLEXUS LXやランクル300を窃盗団に狙われやすい空港併設駐車場に入れるのは自殺行為だと思っています。

OBD2のポートは室内で運転席にあることが多いのですが、CAN信号は車のいたるところに通っているので非常に恐ろしいところです。

海外ではかなり認知されていて、ここ最近は日本でも徐々にCANインベーダーによる被害が増加しています。

海外ではこのCANインベーダーは「OBD Port Theft」や「OBD Car Theft」などと呼ばれているようです。
OBDと名付けられているのは、CANインベーダーの手口がOBD2に繋がるCAN信号をハックしているからだと推測されます。

CANインベーダーは自動車の様々な情報が集約されている「OBD2」へCAN信号が通っている配線から不正にアクセスし、盗難する車両を解錠したり、エンジンをかけて運転できる状態にしてしまいます。

もちろん鍵は必要なく、イモビライザーや純正セキュリティはなんの意味もありません。

CAN信号へは専用の機器があれば車外からもアクセス可能で、スマートキーは必要ないというのがCANインベーダーの恐ろしいポイントです。

CANインベーダーの手口

このCANインベーダーが成功してしまうとドアロックの解錠はもちろん、純正カーアラームの解除だけではなく合鍵の作成まで可能だと言われています。

従来のCANインベーダーは、OBD2のシステムに介入してセキュリティを解除する機器と、エンジンを始動させる機器とに分かれていたそうです。
こういった理由からエンジンルームやバンパー内を通るCAN配線に機械を割り込ませて純正セキュリティやドアロックを解除した後、車内のOBD2コネクタに始動用の機械を接続してエンジンを始動させる必要がありました。

押収された機械

しかしここ最近はこれらの機能が統合された新型のCANインベーダーが数十万円程度の価格で出回っており、CAN信号の配線に割り込ませればセキュリティ解除と同時にエンジン始動の両方ができるようになりました。
たった数分とさらに短時間での犯行が可能になっています。

CANインベーダーに使用される機械

CANインベーダーの機械自体も6000ユーロなのでかなり高額で日本円だと80万円前後、そしてCANのシステム解析も進んでいて、対応車種が続々と増えているという噂です。

CANインベーダーで解除できるのは純正セキュリティや純正アラームのみなので、CANと切り離された社外のセキュリティであればある程度の防犯効果は見込めます。

バイパーやクリフォードなどを販売している加藤電機株式会社は、CANインベーダーでの盗難時に車体への不正アクセスを検知できるダブルポイントループセンサーを新たに開発したとのことです。

CANインベーダーはCAN信号が通っている配線にアクセスする必要があるので、CAN配線にアクセスするためのボンネットのこじ開けやバンパーの取り外しなど、最大2箇所の異常を検知してアラームを作動させられるそうです。

個人的な意見としてはCAN信号にアクセスするため、インナーフェンダーのライナーを捲るときにバンパーが多少動くので、ショックセンサーがあればある程度回避できるのかなと思っていますがあまり意味がないのかもしれません。

3.Airtag(エアタグ)を使用した窃盗手口

AppleのAirtag(エアタグ)を利用してターゲットの車両を追跡、そして駐車を監視して計画的にCANインベーダーで窃盗する手口が流行っています。

Airtag(エアタグ)はかなり便利なので私も使っていますが、位置情報はかなり正確です。
大きなビルや地下に入ると正確な位置が表示できず、機能しなくなります。

都心にお住まいの方はセキュリティ対策バッチリのオフィスタワーやホテル系の駐車場に停めている方が多いかもしれませんが、地方にお住まいの方はなかなかそういうわけには行きません。ご自宅の前や月極駐車場に停めている方も多いと思います。

空港の駐車場でAirtagを設置され
帰ってきて安心していたところ
自宅付近で盗まれる

旅行は家に帰るまでと言われていますが、いくらなんでも窃盗手口のコンボは恐ろしいですよね。
やはり危ないところに長期間止めないという事が最も重要なのかもしれません。

羽田空港の併設駐車場で気をつけたい盗難対策

羽田空港は東京国際空港と呼ばれ、関東甲信越にお住まいの方にとって非常に便利です。
ですが、窃盗団からすると併設駐車場は関東近郊の高級車が集まる「狩場」なのかもしれません。

半径数キロの中に4箇所、7500台ずつなので3万台が収容されているわけですもんね。
P5も入れたら約4万台になってしまいます。

羽田空港に毎日出入りしている我々も社用車を止めておく為に併設駐車場を毎日使います。
そんな中で「これは危ないな」と思うことが多々あります。

個人的に一番ヒヤヒヤするのがLEXUS LX、ランクル300、GT-Rです。
無知とは恐ろしいなと日々体感しています。

ランクル系やハイエース等、狙われやすい車種にお乗りの方はハンドルロックを利用される方が多いですが、この手口で狙われると日々の努力も全く意味がなくなってしまうかもしれません。

1.ハンドルロックやタイヤロック等、物理ロックを使う

2.純正アラームや社外セキュリティなど外部セキュリティを使う

3.防犯カメラがあってもNG

4.セコム等位置管理システムを導入する

5.窃盗団に狙われる危険な場所には置かない

6.セキュリティ対策抜群のバレーパーキング

CANインベーダーの対策として最も効果的なのがバレーパーキングを利用することです。
Lexus(レクサス)のLX,LCを併設駐車場でよく見かけるのですが、フロントバンパーからCAN信号にアクセスできるので注意が必要です。

そもそも窃盗団からすると空港利用者向けの併設駐車場に駐車しているということは長期間帰ってこない事がほぼほぼ確定しているわけです。
そこで警備が手薄になる深夜、早朝の時間に先程出てきたAirtag(エアタグ)の手口を使ってターゲットを下調べする事が可能になります。

場合によってはその場でインナーフェンダーからCAN信号にアクセスして、そのままエンジンを掛けて持っていってしまうかもしれません。

CANインベーダーの手口

インナーフェンダーのライナーを捲ることなんて自動車に慣れている方なら数分もかかりません。
それからCAN信号をハックされてドアをアンロック、エンジンをかけるまで数分も掛からないでしょう。

カメラだらけでゲートもある併設駐車場でこのくらい短時間で犯行を行われると我々には手立てがありません。

併設駐車場内でCANインベーダーされる可能性もあれば、Airtag(エアタグ)を設置される可能性はもっとあります。
仮に空港から帰れたとしてもAirtag(エアタグ)で車の現在地を追われて、自宅の前や月極駐車場に駐車している時を狙われたら成す術がありません。

羽田空港の併設駐車場で盗難されてしまった場合

1.まずは警察署で被害届を出す

被害届は何をするにも必要です。
保険の請求にも必要なので必ず出す必要があります。

2.必ず税関に調査依頼を出す

以前、盗難された車が税関で見つかったという話を聞いたことがあります。
しかし、警察と税関は違う組織なので盗まれた車両のデータを共有していません。

税関に提出して差止めしてもらう必要があるそうです。
これは警察では教えてくれないと思いますが必ずやりましょう。

3.Yahooオークションで車体や部品をチェック

盗品や盗難車はバラバラにされYahooオークションで売られるのが基本です。
ご自身の車だと認められる必要がありますが、ここから犯人逮捕に繋がる例が沢山あります。

関連記事

Comment

  • Comment ( 0 )

  • Trackbacks are closed.

  1. No comments yet.